2010年3月のバックナンバー

こういう食事は楽しい

 スタッフと打ち合わせが終わって、近所の商店街にある、見た目も中身もカジュアルな中華料理のお店に入りました。そろそろ食事の時間なのに、10卓ほどあるテーブルにお客さんはゼロ。初めて入るお店で、時間帯を考えても「しくじった?」と思うのは無理ありません。だって、美味しいのなら満席でもしかたない状況ですからね。

 

 「どこでもどうぞ!」といわれ(他にお客さんは居ないから当然ですけど)、壁際のテーブルに座りました。誰もいないのにセンターの丸テーブルは落ち着きませんからね。

 

 メニューもリーズナブルな値段です。またしても不吉な予感が頭を過ります。えーい、ままよ。皆お腹も空いていたから、さっさと好きなものを適当に注文します。「海老チリ」、「豚タン」、「青菜と肉の炒め物」、「酢辛タンメン」、「大根もち」、「レタスと袋茸」、「中華おこげ」、「五目チャーハン」、etc.etc. 5人は私も含めて見掛けによらぬ?健啖家です。

 

 他に誰もいませんから遠慮なくワイワイガヤガヤ。「ジャスミンティーおかわり~ぃ!」、「取り皿くださぁ~い!」、「ザァー菜ありますかぁ?」と喧しい。

 

 かくして瞬く間の90分。イナゴの大発生のように食べ尽くし、「ごちそうさま!」になりました。楽しかった。えっ、お味ですか? はい、不安は杞憂で大変美味しく頂きましたよ。最後まで全店貸切でしたしね。

 

  そうそう、ここのお店で気になったことを聞いてみました。中華料理などで時々みかける「福」と書いた御札のようなもの。あれはどうして天地逆さまに貼ってあるのでしょう。みなさんもご覧になったことありますよね。あれは、「福」が帰ってくるように逆さまに貼るんですって。ですから、お財布のお札も逆さまにしておくと、 使っても帰ってくるのだそうです。ほんと? どうりで几帳面に上下正しく入れていた私のお札は、出て行くばかりだったんだ。

 

 あわててお財布のお札をひっくり返して入れなおしたのは 、言うまでもありません。お札、帰ってこいよ~っ。

 

 表に出るとジャケットだけでは寒く感じる気温です。咲き始めた桜も戸惑っていることでしょう。駅に向かうスタッフと別れ家へ。たまにはこんな食事も楽しい。

 

石川さゆり

 

 

続 バーニャカウダー

 松本でのコンサートから帰ってきました。で、早速バーニャカウダーについて調べてみました。

 

 バーニャカウダーとは当然英語ではありませんでした。(笑) イタリア語ではありますが、ピエモンテ州の方言で、正しくは「バーニャカウダ」です。ダーと伸ばしません。でした。

 カウダはイタリア語のカルド、つまり温かいという意味で、バーニャはソースという意味のようです。要するに「温かいソース」ということですね。そのまんまです。

 

 イタリアのピエモンテ州が何処かと申しますと、北西の端、長靴の膝下辺りと説明すればお分かりでしょうか。私の理解も次第に深まり、イメージが勝手にわいてきますよ。ふふふ。

 

 えっ、いつバーニャカウダを作るのかって? 今日は眠いので細かいレシピまで行き着きませんでした。とりあえずイタリアの物と再確認して、本日はこれまで。

 

石川さゆり

バーニャカウダーって?

 みなさんバーニャカウダーってご存知ですか? 我が家では冬から春にかけて、フォンデュとならんで良く食べる料理です。まあ料理といってもバーニャカウダーというソースを温めて、スティックにしたスナック豌豆、アスパラガス、ブロッコリー、キャベツ、カブetc.お好みの野菜につけて頂くものです。とっても美味しくて、野菜もたくさん頂けるのです。

 バーニャカウダーはアンチョビ、にんにく、オリーブオイルなどをややペースト状にしたもので、ビン詰を買ってくるので、これを温めるだけですから胸を張るほどのものではありません。近々ソースから作るつもりですので、その時は自慢げに顛末を報告しますね。  

 

 そもそもイギリスに留学していた娘が、お土産で持ち帰ったのが事の始まりで、以来、私はてっきりイギリスの料理だと思い込み、周囲の人にも「イギリス料理」のバーニャカウダーと説明してきたのです。

 つい先日、何度教えてもカーニャパウダー?!としか覚えないスタッフとイタリアレストランに行きましたら、メニューにバーニャカウダーがあるではありませんか。「?」の私は早速お店の人に「これはイギリス料理なのに、イタリアンのお店にあるのね?」と自信満々聞いたのでした。

 お店の人は直接否定せず、「ピエモンテ地方の料理です」と答えました。ピエモンテ? イギリスにそんな地方があったかしら・・・。「イタリアの料理です」と念を押すお店。アレレ?イギリスじゃなかったんだと、素早く学習する私です。(恥)

 このあたりの理解の早さは、流石に私なのです。(笑)

 

 英語にしてはちょっと言葉の響きがおかしいとは思っていたし・・・。というわけでイタリアの料理をイタリアンのお店で初めて食べたのでした。もちろん美味しくて、カーニャパウダーのスタッフは、なにも気付かずに喜んで食べておりました。

 

 長ぁ~い前置きになりましたが、「汝過ちを革むるに憚ることなかれ」です。無知や誤解をそのままにする私ではありません。さらに理解を深めるために、本格的バーニャカウダーを作ろうと決意したのでした。きっとオリジナリティーあふれるバーニャカウダーを。

 

石川さゆり 

 

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